電気事業連合会 事務所にて取材。左から カマスラボの吉田、代表の安宅、電事連 広報部 副長の高井さん

カマスラボへ制作をご依頼いただいた企業・団体のみなさまに、
これまでなかなか聞けていなかった「カマラボとのものづくり」について伺う企画。

第2弾は、全国の電力会社によって設立され、電力やエネルギーの知識普及・啓発活動を行う団体「電気事業連合会」より、広報部の高井さんに話を伺いました!

電力業界の撮影で求められるスキルと柔軟さ

高井さん:
僕が電気事業連合会(以下、電事連)に着任したのが2023年。
前任の方からいろいろと引き継ぎ案件の説明を受けるなかで、1本動画の制作があると。
それが青森県にある六ヶ所村での撮影でした。

前任からは「大体内容は決まっているからよろしく!」という感じで、ロケハンに行ったのですが、そこで初めてカマスラボさんにお会いしました。

なんかこう・・・仲の良さそうな集団だなって印象で。
その時、青森は前が見えないぐらいの大雪だったのもあり強く印象に残っています。

カマラボ 安宅:
実はロケハンは2回実施していて、高井さんとお会いしたのは2回目のロケハンなんです。
1回目のロケハンで現地をまわりながらいろいろとお話しを聞いていた方が、よくよく確認すると実はロケハンには全く関係ない方と分かり、「誰ぇ〜っ??」って。(笑)
た。

カマラボ 吉田:
取材で来ていた新聞社さんの方だったんですよね!

カマラボ 安宅:
2回目のロケハンでもヒヤッとすることがありましたよね。

高井さん:
カマラボはそれまでにも発電所での撮影経験があったということで、手順だったりノウハウもわかっていらっしゃったので、何事もスムーズに進んだなっていうのが第一印象でした。

カマラボ 安宅:
これまでいろんな案件に取り組んできましたが、印象に残っているものはありますか?

高井さん:
まずはやっぱり、全国各地にある複数の発電所を回って、各地の発電所員の働く姿を撮影いただいたWEBムービー「電力の安定供給を支える電力事業者の想い」ですね。

カマラボ 吉田:
北は北海道から岐阜、富山、新潟、広島、佐賀、南大東島(沖縄)までと結構な移動距離でしたよね!
でも、一番大変なのは撮影スケジュールの調整ですよね。

高井さん:
撮影を受け入れていただく発電所とカマラボの皆さん、そして我々のスケジュールを合わせるのですが、限られた期間で複数の撮影日程を組むは大変でした。

大移動をした全ての撮影で天候に恵まれたのも幸運でしたが、電気事業に関わる施設の撮影は、安全第一で施設のルールを守りながらも、効率的に撮影することが大切です。
どこからどう撮影するのが効率的かつ良い画になるのか、これまでの経験からその点を抑えてくださっていたのもとても助かりました。

カマラボ 安宅:
施設内で撮影できるところはとても限定的で、その中でいかにバリエーションを出せるかという点はとても配慮が必要ですよね。

高井さん:
特に原子力関連施設では、セキュリティ上、撮影できる箇所が厳しく制限されていますからね。

カマラボ 吉田:
色々な制約の中で撮影をこなすことができたので、他のどんな撮影現場も楽勝!と感じられるほどの経験値を得られたと思います。

海外プロモーションに向けて初のノベルティ制作。
最悪、アブダビまでカマラボが運ぶ!?

高井さん:
とある国際会議でのノベルティ制作も思い出深いですね。
中東のアブダビで開催された会議で、次回開催地となる日本をPRする目的で、海外のゲストの方々にお土産として持って帰ってもらえるようなノベルティ制作をすることになったんですが、なかなか良い案が出なくて・・・。

当時、藁にもすがる思いでカマラボに相談してみたら、フットワーク軽く次々と提案をくださいました。
「民芸品がいいのでは?」となったのもカマラボの提案でしたよね!

カマラボ 安宅:
そうですね。予算や制作スケジュールを加味して「江戸切子」「起き上がり小法師」「扇子」などいろいろ提案した末に、福島の伝統的な民芸品である会津若松の「赤べこ」に決まりました。

高井さん:
「赤べこ」に決まったのはいいものの、オーダー数が数百個という!

カマラボ 吉田:
800個・・・ですよね。

急な大量生産を受け入れてくれるのか、果たして間に合うのか!!と会津若松の野沢民芸さんに何度もなんどもお電話して。

高井さん:
「赤べこ」への文字入れにも柔軟にご対応いただき、本当にありがたく思っています。

カマラボ 安宅:
文字入れは野沢民芸さんとしても初の試みだったようで。
野沢民芸さんも日本の伝統工芸品を海外の人たちに届けるために試行錯誤を繰り返して、「赤べこ」の曲面にも印刷できる型をわざわざ作ってくれたんです。

野沢民芸製作の赤べこ、カマラボがデザインした専用箱
丁寧に作られた「赤べこ」は、カマラボスタッフ総出で梱包。
圧巻の数。検品・梱包作業だけで丸3日を要しました。

高井さん:
「赤べこ」が出来上がったは良いけれど、最後の最後に・・・
アブダビへ無事に着くのか!?となりましたよね。

カマラボ 安宅:
カマラボ初の大量の荷物を海外輸送するということで、EMSに持っていっては断られ、複数の輸送会社と納税や現地受取人の調整と、予想を超えて手こずりました。

当時 僕は撮影でドイツにいて、遠隔で送れるのか、間に合うのか、と連日スタッフと連絡を取り合っていたのを覚えています。僕自身もドバイの知人や輸入関係に詳しい人など、使えるネットワークを駆使して調べました。

混乱の末に無事、アブダビのホテルへ輸送された赤べこ

高井さん:
会場となるホテルに「赤べこ」が無事届いたという連絡をもらった時には、本当に安堵しました。
普段はHPやSNSといったウェブ系の仕事が多い中で、久々にこう、手触りある仕事をした感じがします。

カマラボ 吉田:
信頼がないと乗り越えられないものがありましたよね。

僕らの方で言うのもあれですけど、
「お前たちのせいだろう!」と言われてもしょうがないなっていうところで、わちゃわちゃしながらも、誰も諦めてない、誰も機嫌が悪くなっていないというか。

「最悪(アブダビへ)持っていきます。手で持って行きますんで」って。(笑)
もう電事連さんのためならと覚悟はできていましたね。(結果、輸送できたが)

高井さん:
いや、正直それは「本当にできるのかな?」と思いながらも、そこまで言い切ってくれるからこその安心感がありました。
変な言い方かもしれないですけど、カマラボさんの規模感だからこその融通の利かせ方や、人的ネットワークをフルに活かせるっていうのも心強かったですね。

「同じ釜の飯を食う仲間」だから創ることができるもの

カマラボ 安宅:
カマラボと一緒に制作した動画やノベルティなど、反響はいかがでしたか?

高井さん:
全部、反響が良かったですね。

赤べこは大人気で、「家族にも持って帰りたい」というゲストの方々も大勢いらっしゃいました。

また、Webムービー「電力の安定供給を支える電力事業者の想い」は、全国各地にある様々な発電所で、設備の保守点検や運転業務に取り組んでいる発電所員の熱い想いを伝えることができて、業界関係者からも評判が良かったです。

カマラボ 安宅:
「電事連さんにしか作れないものを作ろう」という気持ちで、僕個人としてもずっとやりたいと思っていた動画企画でした。

高井さん:
全国の電力会社を一斉に紹介するって電事連じゃないとなかなかできないことだと思います。電事連にしかできないというポイントを定めてくれたことは、とても意味のあるものになりました。

カマラボ 安宅:
一緒にいろいろやりましたもんね。各地で一緒にご飯も食べて。

高井さん:
夏の離島や冬の雪国での撮影など、大変なこともありましたけど、どれも貴重な経験で楽しかったですし、またそこで絆が深まりましたね。

カマラボ 安宅:
動画を作る時って、やっぱり本音で話し合えないと。
そうでないと本質的ないいものって多分できないなと思っていて。

じゃあ、どういう場なら本音が出るのかっていうと、やっぱりこうある程度仲良くなって、同じ釜の飯を食べて、絆が深まったところで、やっと本音が出るものだと思います。

高井さん:
そのスタイルでいいと思います。(笑)

カマラボさんは、これからもいろいろな事業を展開されていくと思いますが、その経験とネットワークにさらに広がりと厚みが出てくれば、どんな無理難題をお願いしても実現してくださるような気がしています。

カマラボ 安宅:
はいっ!!
(南大東島の踊り)

(中央)取材中に何度も南大東島の踊り(?)を披露するカマラボ代表の安宅

ーーーーーーーお話を聞かせていただきありがとうございました!ーーーーーーー


<記事をご覧の皆さまへ>

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■「電力の安定供給を支える電力事業者の想い」 動画

その他 動画事例
■ 「原子燃料サイクルの確立に向けて」動画

DATA:電気事業連合会
<所在地> 〒100-8118 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館
https://www.fepc.or.jp/

「日本の電気事業を円滑に推進していく」という理念のもと、1952年に全国の電力会社が一体となって設立した団体。東京電力をはじめ、全国10地域の電力会社が属し、電気やエネルギーに関する知識の普及・啓発、身近なエネルギーについて興味をもっていただくためにさまざまな活動を行っている。