備前国総社宮(岡山県岡山市)前でインタビュー

カマスラボへ制作をご依頼いただいた企業・団体のみなさまに、
これまでなかなか聞けていなかった「カマラボとのものづくり」について伺う企画。

第1弾は、岡山県岡山市にある128神社のご祭神を祀る「備前国総社宮」の宮司、
武部一宏さんに話を伺いました!

ドイツ ベルリンでの出会い

宮司:武部さん
カマスラボさんとの出会いは、2016年頃。
当時、僕がドイツで神事をすることになり、(カマラボの)下山さんが神輿の撮影に来られるということで、いきなり全く面識がないのに空港の待ち合わせ場所を指定されて…


どんな方かと思っていましたが、
一緒にベルリンで神輿の準備をしたり、昼夜 寝食を共にしているうちに、下山さんの人柄が素晴らしい!と、もう大好きになっちゃって…(笑)

ベルリンでの神輿ももちろんですが、それが終わった後も観光など、どこへ行くにも一緒に回って、ベルリンの壁でふざけて壁ドンしたり、本当に楽しく充実した時間を過ごしました。

帰国した成田空港で別れる時にも、
「なんかこれでさよならって嫌だね。」って、なぜか都内で一緒に蕎麦を食べて。
出会った時から本当に下山さんの人柄というか、ビビッと自分の霊(たましい)が結びつけてくれたようなご縁を感じましたね。

左:カマラボの下山、右:備前国総社宮の宮司 武部さん

カマラボ 下山:
あの時、異様にシナジーを感じてしまって。
すごく楽しかったですよね。ベルリンは特別な思い出で、仕事関係なくなんかこうガチっと心掴まれてしまった感が僕もありました。

宮司:武部さん
本当にそう!
ベルリンで会った後に、アットフィルム(現 カマスラボ)を立ち上げるという話を聞いて、新会社設立のご祈祷を総社宮にお願いしたいとご依頼いただいて。
僕としても、神社の仕事で行くという感覚よりも、親戚のおじさんに会いに行くような感覚でお邪魔させてもらって。

その時に安宅社長とも初めてお会いしたんだけど、やっぱり下山さんと気の合う方々は当然合うわね。初めてお会いした感覚よりは、前から知っているような感覚でした。
そんなご縁で、下山さん個人とのお付き合いからカマラボと備前国総社宮の宮司としてのお付き合いが始まりました。

備前国総社宮の宮司 武部さん

「神社は今、何を伝えるべきか」
悩んだ時にパッと浮かんだのがカマラボ

宮司:武部さん
10年前(2015年)に神社の社が再建されたんだけど、その年に初めてプロジェクションマッピングを総社宮でやりました。
初回は私の同級生にプロデュースしてもらい、テーマは「天地創生」。
要は、地球ができて、大陸・土地ができて、その土地の上に総社宮という社に神様が降臨されるまでが総社宮初のプロジェクションマッピングのテーマでした。

再建から10年の時を経た今年(2025年)、記念に何をしようかといろいろと模索をして、
例えば東京オリンピックでやっていたドローンを使った演出、いろんな案や考えも浮かんできたものの、どれもピンとこなくて…。
10年前(2015年当時)は神社仏閣でプロジェクションマッピングをやったところがなくて、全国で初めての取り組みだからやろうとなったけど、今やるとどうしても前回もやったじゃないか、新しいことに取り組んだ方がいいんじゃという頭もあって、プロジェクションマッピングを嫌煙していた部分がありました。

だんだん日が迫ってきて、いろいろ想いを巡らせた中で、プロジェクションマッピングの映像の続きがあってもいいよなと考えるようになりました。
それで、ふと考えた時にすぐに下山さん(カマラボ)の顔が思い浮かんだんですよね。
映像=下山っていうのが僕の中では繋がってて。
そういうことを任せられる、こちらから本当にお願いしたいと思える人っていうのは下山さんしかいないと。本当に頭にピンときて。

もう、浮かんだと同時に連絡して、力を貸してほしいと話したら、
「もう、ぜひ!」と。下山さんも悩むことなく返事が返ってきた覚えがあります。

カマラボ 下山:
もう一切、ノーはない。武部さんに関しては。
全部イエス!

宮司:武部さん
カマラボには僕の大切な仲間がいて、その人たちに任せられる安心感っていうのもありましたが、こういう制作っていうのは、微妙なニュアンスを伝えることや汲み取ってもらうことが難しい。
武部という人間が思い描いているものを分かりやすく言葉にして伝えたとしても、
僕という人間性を知らない人は想像でイメージを作りあげてしまうと思うんですよね。

僕という人間がどういう人間であるか、
腰が軽くてふわふわしている…(ワハハ)、だけど神主としてはちゃんとやっている。
そういういろんな側面をみてくれて、僕という人間を知ってくれている。

だからこそ、僕たちがやりたいことを伝えると、
答えをちゃんと探して見つけてくれる。

「武部さんが思い描くのはこういうものでしょう?」と提示してくれる安心感・信頼があったので、これは絶対カマラボに頼むしかない、頼めないならプロジェクションマッピングはやめようというくらいに思っていました。

カマラボ 下山:
もう…大変光栄でございます!
映像のことで思い出してくれたのはすごく嬉しかったし、繋がっているみんなの力を合わせればできるなと、ご縁が繋いでくれたのを感じました。

僕が一番注いだのは “愛”ですね。(笑)
僕の制作の理想系は、心から創りたいと思うものを一緒に取り組める関係。仕事といえど、一番それがベストだと思っていて。総社宮のプロジェクションマッピングはそれが体現できたお仕事な気がしていて、携われたことに感謝しています。

宮司:武部さん
春季例大祭でプロジェクションマッピングを放映した際は、ものすごい反響でした。
喜んだというより驚いたという方が多かったですね。

岡山の片田舎にある神社で、「ここまでのことをするのか!」と感動され、わざわざ社務所までお越しになって素晴らしかったとお声をかけてくださる方がたくさんいました。

知り合いの大きな神社の神主さんからは「もう…悔しいっ。」とまで言われて。(笑)
それはもう最高の褒め言葉ですね。神社の職員みんなが感動していました。

単なる仕事を超えた別次元のものがあるから、ああいう映像になったと思うし、
人の想いや霊がこもっているから、人の心を動かすし、霊を揺さぶるものになるんだなと思いました。

ーーーープロジェクションマッピング_ダイジェスト動画ーーーー

https://www.youtube.com/watch?v=joOCEeJ165Y

楽しいから、会いたいと思う。
それが仕事にも繋がる。

カマラボ 下山:
僕との関係からカマラボの付き合いも始まりましたが、それを抜きにしてもカマラボと関わってみてどうでしたか?

宮司:武部さん
もう、楽しいのひと言。
だって、カマラボのみんなと会うのが楽しみで。

カマラボのみんなに会うと、自分がふだんの生活をしている時よりも遥かに違う発想・アイデアが浮かぶんです。
聞き出すのが上手いし、ふっと合いの手をくれることで新しいアイデアをもらえるような、自分の中でもいろんなことが覚醒していくような時間になるから。

カマラボ 下山:
カマラボが目指しているクリエイティブは、動画だけにこだわらず、いろんな発想でいろんなことができるっていうのを叶えていきたいという想いがあるので、めちゃめちゃ嬉しいです。
今後、武部さんが僕たちに期待することはありますか?

宮司:武部さん
総社宮は奈良〜平安の時代からできて、約1,000年の歴史があります。
当然、僕の時代はその間の数十年でしかありません。
そこで僕がどうしなければいけないかというと、期待と自分の想いも込めて次の世代にちゃんとたすきを渡さなければいけない。
そのたすきを渡した人間がまた数十年間と、神社を守り続ける。

神社が刻む一瞬一瞬の歴史というのは、残していきたいと思っています。
そうなると、当然カマラボのような場面、場面をちゃんと記録して総社宮の今ある姿を発信してもらえる、こういう会社との取り組みというのは今後どの神社にも必要になってくると思います。

神社を知ってもらう発信を積極的にやっていかなければ、神社が忘れ去られる。そうすれば当然人も来ないから、維持するお金もなければ、衰退して潰れていく。
だから発信して、世間の皆様に神社のことをわかっていただいて、神社の魅力を伝えていかなければいけない。

できたら僕は総社宮と同じように、カマラボの皆さんが次の世代にもちゃんと残していけるようにしてほしいなと思います。
カマラボのやっていることが、いかにいろんな人たちを癒し満足させているかということに自信と誇りを持って、次の時代にも求められる仕事・霊を引き継いでもらいながら、
総社宮とながーーーく、ベッタリ癒着してほしいなって。

ベッタリ!ベタベタに❤️(笑)

今が楽しい、充実していれば、僕は自然とそういうふうになっていくと思います。
楽しいということは、人に求められいることでもあるから、必要とされないとその職業やモノは無くなってしまう。
やっぱり楽しいから、ちゃんと残っていく。

だから総社宮も、ここの神社を残したい、あってほしいと思ってもらえる、
それを発信してもらえるカマラボっていう会社もちゃんと依頼する人の生き方を理解して
モノを創り発信する。

カマラボも総社宮の歴史と同じように長く、長く、想いや熱意も次に繋がっていくことを願います。

ーーーーーーーお話を聞かせていただきありがとうございました!ーーーーーーー

<記事をご覧の皆さまへ>

岡山へお越しの際は、ぜひ備前国総社宮へお詣りして武部さんに出会ってください!
神事・ご祈祷の依頼はもちろん、サウナ禊など神社では珍しい楽しい取り組みもたくさん実施されています!ぜひSNSでも「備前国総社宮」を検索してみてくださいね!

DATA:備前国総社宮 (びぜんのくにそうじゃぐう)
<所在地> 〒703-8207 岡山県岡山市中区祇園596
https://www.soujagu.jp

奈良、平安時代に朝廷より任命された国司が政治を行う時代、国司は政治を行う前に必ず、人々が大切にする全ての氏神様に政治を混乱させないようご祈祷をしていた。
その地域にある全ての神社をお詣りするのは困難であったことから、各神社から「わけみたま(分霊・ぶんれい)」した霊(たましい)を1つの神社に集めたのが総社宮の由縁。
「備前国総社宮」は、備前国に祀られた128もの神様を一度にお詣りするために創られた特別な神社です。